7月9日のPRECIOUS DAYSのライブで水害体験者のお話をお届けしました。強く印象に残ったのは「災害時は一夜で当たり前の暮らしが一変してしまう。だから、今を大切にして万一のときに命が助かる行動がすぐにとれる空間にしておく」というお話でした。今日はライブを通して私が感じたものだけじゃない「もしもの備え」のお話です。
入居3週間後の床上浸水
今回、ライブで水害の体験を話してほしいというお願いを快諾してくださったのは、ライフオーガナイザーであり防災備蓄収納プランナー1級の大島あかりさん。
2019年の令和元年東日本台風で内水氾濫(河の数位が高くなり、陸地に降った雨が川に流れずに起こる氾濫)で約100cmの浸水被害にあわれたのは、新居に住み始めて3週間のこと。過去何十年もの間水害の無かった地域に地震対策は万全に家を作ったそうです。
雨が降りやまず近くの川の水位が上がるなかで、1階に置いてあった避難グッズを上の階にあげ、警戒レベル4(危険な場所から全員避難)になった時点で、高台にあるご主人のご実家に避難。ご家族の皆さんはご無事でしたが、翌朝水が引いてから自宅に戻ると家の中も外も泥だらけで、後片付けに追われたそうです。「まさかわが家が水害でこんな大変なことになるなんて思ってもいなかった」とおしゃっていました。
被災時の心の支えになったもの
ライフラインは避難中に停電の形跡があったものの、それ以外はいつも通りで翌日からはご自宅で生活を再開。でも1日でも早く1階の消毒をしてもらうために、朝から寝る間際まで水につかったものを外に運び出したり、当座使うものをあらったりと後片づけなどに追われたそう。
罹災証明、保険の申請、リフォームの手配なども同時進行ですから、それはそれは心身ともに大変な日々。そんな最中でも幼いお子さんたちには、少しでもいつもに近い生活を送らせてあげたいという思いでいたそうです。ご自分もいっぱいいっぱいであった状況でほっと出来たのは、ママ友たちが届けてくれたおにぎりや豚汁といった温かい食事。その経験から、食べなれたものを温かくして食べるための用意の優先順位が上がったともおっしゃっていました。
家族との情報共有とローリングストックが鍵
一晩で暮らしが一変してから、避難のタイミングを決めるマイタイムラインを家族で共有したり、食品のローリングストックを取り入れ、避難グッズや雛人形のような大切な物は上階に移動。また今の暮らしを大事すること、今必要な物を見極めることを大切にしているそうです。
もしもの時に命が助かる行動が取れること、家の中が命が助かる空間になっていることで、家族に「うちは大丈夫だよ」と言える備えや仕組みづくりを再度見直したとのことでした。
命を守ってくれる家にしよう
(この写真はお客様のお宅で靴箱を見直して避難バックを収納したもの)
私が防災士の資格を取ったのは、たくさんのお宅の片づけサポートに伺っていくうちに、あちこちの床にものが置いてあったり高いところまでものが積みあがっている様子を見てキケンだなぁと感じたから。もし夜間に災害が起きて停電になっても、身の安全を守れる整理収納の仕組みづくりもご提案したいと思いました。
大島さんのお宅はよく考えて選んだ避難グッズをまとめてあったこと、どこに何があるかを把握していたことで緊急時にサッと移動することが出来ました。でも、いつかどこかでもらった避難セットがどこかにあるかもといった状態では、必要な時に役に立たないかも知れません。
片づけなくちゃと思い続けているのに家が片づかない、片づけても途中で挫折してしまう。片づいてスッキリした家は、家族を守るためのスペースでもあるんです。もしもの時に家族に「わが家は安心だよ」と言ってあげるためにも、片づく考え方を学んでみませんか。
片づけのテクニックではなく考え方?と思うかもしれませんが、急がばまわれ。自分に、わが家にあった片づけ方が分かれば、今までの片づけ方でうまく行かなかった方も変われます。
ライフオーガナイザー入門講座
セミナールーム
7月31日(日)
10:30~13:00 思考の整理編
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