片づけサポート3,000件以上の時間×片づけコンサルタント、下村志保美です。
「家事を分担しているはずなのに、なぜかモヤモヤする」「相手に『手伝おうか』と言われると、ちょっと引っかかる」。そんな経験はありませんか。実はその正体は、分担の量ではなく「見えない家事」にあることが多いんです。
なぜ「家事を分担しているのに」不公平に感じるのか
我が家では、東京の自宅は娘夫婦と3人暮らし、夫は大阪に単身赴任中で、私は東京と大阪を行き来する生活をしています。東京では、食洗機の片付けや洗濯物を片付けるのは基本的に娘婿の担当。誰がこうすべき、というルールはあえて決めていません。
それでも、新婚当時はよくモヤモヤしていました。各部屋にゴミ箱を置いていたのですが、夫はティッシュをかみながら家の中をうろうろして、近くのゴミ箱に適当に捨てる。ティッシュが1、2個しか入っていないゴミ箱を見るたびにイライラしていたんです。でも夫にしてみれば「ゴミ箱があるんだから、そこに捨てて何が悪いの」という話。私が勝手にイライラして、何も伝えていなかっただけなんですよね。
「見えない家事」の正体
以前、家事シェアについての講座を担当したことがあります。そこで気づいたのが、結局は「見えない家事」だということでした。トイレットペーパーがなくなったら買うこと自体はできても、「もうすぐなくなりそうだから買いに行かなくちゃ」と先回りして気づくことは、意識していないとなかなかできません。
その頃読んだのが、野々村由紀子さんの『夫が知らない家事リスト』という本です。テレビで話題になった「夫に突きつけた家事リスト」がベースになっていて、約211もの家事が紹介されています。麦茶を作って冷蔵庫に常備しておくこと、子どものお迎え、お友達が遊びに来た時のちょっとした対応。こういう小さな見えない家事が、今、家の中にたくさん積み上がっているんです。
家事シェアを変える、たった一つの行動
もし今、家事シェアに不満があるなら、まず「見える化」してみることをおすすめします。朝起きてから、1週間、1ヶ月、1年単位で見てみると、自分が何にストレスを感じているかが見えてきます。
私自身、扇風機のお手入れが面倒で、この数年出していません。「なくても生きていける」と気づいて、手放すことにしました。トイレットペーパーの補充は、ネットスーパーを頼むタイミングで一緒に見るようにしています。
家族みんなで、それぞれが思う家事リストを書き出してみる。これ自体が、一つの大切なコミュニケーションになります。「こんなことまで家事だと思っていたんだ」というお互いの気づきにもなりますし、自分が気づいていなかったけれど相手がやってくれていたことにも気づけます。
「平等」より大事にしたいこと
夫婦には体力的な違いもあります。我が家では、重いものを運んだり、年2回のタイヤ交換を率先してやってくれたりと、娘婿に助けられている場面がたくさんあります。男女で完全に平等に分担することに、私はあまり意味がないと思っています。
ただ、やめた方がいいと思うのは「私がやった方が早い」という思考です。さっさと自分でやってしまって、相手は何も手伝ってくれないと文句を言う。これをやってしまうと、相手はいつまでも気づけないままになってしまいます。
これは女性だけの話ではありません。以前、会社員向けのコミュニティで家事シェア講座を担当した時、「俺たちはこんなに仕事を頑張っているんだ」という反発を受けたこともありました。でもその一方で、「何をやっても文句を言われる。洗濯を手伝ってもそうじゃないと言われる」という本音も聞きました。頼み方にも原因があることが多いんですよね。
労働時間が長ければ偉いわけではないけれど、家にいる時間が短ければ、家事にかけられる時間も短くなる。それは仕方のないことです。大事なのは、自分が仕事に専念できているのは、相手が家事や育児をやってくれているから、という気持ちをお互いが持てているかどうかだと思います。
見えない家事が不公平感を生むのは、相手がサボっているからでも、気が利かないからでもありません。単純に、見えていない、気づいていない。それだけなんです。不平不満を飲み込んだり、イライラをぶつけたりしても、何も変わりません。まずは見える化すること。そこから家事シェアは始まります。
よくある質問
Q1. 家事の分担は夫婦で完全に平等にすべきですか?
いいえ。男女で完全に平等に分担することに、あまり意味はないと考えています。それより、得意な人が得意なことをする、体力的な違いも踏まえて役割を分ける、という考え方の方が現実的です。
Q2. 相手に家事をもっとやってもらうには、どうしたらいいですか?
不満を我慢せず、ちゃんと言葉にして伝えること。それが難しければ、自分でやる。このどちらかです。あわせて、家族で家事リストを書き出して「見える化」することも効果的です。
Q3.「手伝う」と言われるとモヤッとするのはなぜですか?
「手伝う」という言葉には、本来自分の仕事ではないものに手を貸す、というニュアンスがあります。でも家事や育児は、本来どちらか一人だけの仕事ではないはず。そこに引っかかりを感じる方が多いようです。
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